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陸海空 -Caress of Venus- 第二章 第一話

2006/01/05 22:51 [Thu]
20-01

空  「いきなりですが、大晦日です」
 時は夕食後。
 リビングのソファでくつろぐという、安穏とした空間に重く圧しかかる沈黙。
 記憶が確かならば、冬が近づいてきているという設定だった気がするんだが……

夏海「仕方ないわねぇ。私は掛け布団持ってくるから、テーブルの留め金外しておいて」
 何の疑問も持たなかったのか、夏海は立ち上がるとリビングから出てゆく。
 クーはテーブルの下に手を伸ばし何かしているようだ。

公人「え~と、確か──」
空  「言いたい事は分かります。しかし、言葉に出してしまっては全てが台無しになる事もあるのです。 ……公人さん、テーブルの天板を取り外して頂けませんか?」
夏海「大人の事情ってヤツなんだから文句言わないっ。分かったらさっさと取り外しなさい」
 そう言われては何も言えないので、仕方なく二人の言葉に従い天板を取り外す。
 クーはテーブルの収納トレーから電源コードを取り出すとヒーター部に差し込む。
 この部屋の雰囲気に合ってるかは別問題として、これは確かにコタツテーブルだった。
 二人は黙々とテーブルを覆うように掛け布団を広げ、天板を元に戻した。

 ソファ用のコタツテーブルにはミカンと落花生、緑茶が整然と並べられる。
 テレビに映るのは大晦日を象徴する国民的対決番組。
 完璧だ。完璧に大晦日を演出している……

公人「あ~、夕食後に──」
夏海「無駄口は叩かなくていいわ。夕食は蕎麦だったの、年越し蕎麦。あんだすたん?」
空  「美味しいお蕎麦でした。健康にも良いので、何も問題ありません」
公人「りょ、りょうかい……」



20-02

 テレビを見てあはは~と笑う夏海に、静かに緑茶を飲むクー。
 言ってはなんだが、あからさまに不自然な空気だ。
夏海「……これくらいで大晦日の雰囲気出たかしらねぇ」
空  「問題ありません。私は日本の大衆文化を肌で感じました」
公人「ホントか? お前らホンキで言ってる?」
 クーはミカンを丁寧に剥きながら口を開く。
空  「はい。これこそ日本が誇る伝統。由緒ある大晦日の過ごし方です」
夏海「そういったものに興味ないから、実際にはどうなのか知らないけど」
 我関せずといった風情で落花生を手に取る。ぱきっという音を立て殻を割り、渋皮を剥く。

 この空気はよく知っている空気だ。俺の中にある何かが逃げろという警告を発し続ける。
公人「……さて、風呂にでも──」
 立ち上がろうとしたが、両側からガッチリと腕を押さえ込まれる。
夏海「クー、確かお風呂には入ったわよね?」
空  「はい。三人とも早い時間にお風呂を済ませています」
公人「いや、俺は知らな──」
 両肩に伸ばされた手が俺をソファに座り直させる。
夏海「今日の公人は調子悪いみたいね。ベッドの中でたぁっぷり看病してあげるべきね」
空  「確かに少し混乱しているように見受けられます。是非とも──」
公人「いやっ、俺の勘違いだった。今年は初日の出見るぞ~~」

 座り直した俺の口元に、クーはミカンを一房差し出してくる。
空  「美味しいですよ。どうぞ食べて下さい」
夏海「公人は体調が悪いのかも知れないし──」
公人「美味しそうなミカンだなぁ~。頂きま~す」
 夏海の策略には乗らない。
 クーが手にしたミカンを食べる。さっぱりした甘みとほのかな酸味が口の中に広がる。
空  「まだまだたくさんありますから遠慮せずに食べて下さい」
 そして当然の如く反対側から響く破砕音。
夏海「落花生も美味しいわよ、公人」



20-03

 まろやかな香ばしさ、甘さと酸味の見事なハーモニー……
公人「って、同時に食べて味わえるかーーーっ」
 クーは俺を抱き締めるように引き寄せると、夏海をにらむ。
空  「夏海、邪魔をしないで下さい。私は公人さんに味わって食べて頂きたいのです」
夏海「あら~、対抗してどんどん口に放り込んでるのは、クーも同じじゃな~い。それに一緒に食べたところで味わおうとする心があれば問題ないわ」

 この瞬間、誰が一番問題のある人物なのか判明した。
 クーに向き直り、真剣な表情でその瞳を見つめる。
公人「クー、俺が今何をしたいか分かるか?」
空  「当然です。私は公人さんの事であれば、何であろうと手に取るように分かります」
 そう言うと俺の頭と背中に腕を廻して引き寄せ、強烈なディープキスをしてくる。
 違う! 俺が言いたいのはそういう事じゃないっ。

夏海「クー、公人が嫌がってるじゃないっ。放しなさい!」
 力任せに俺を引き寄せる。あっさりと手を離し立ち上がると、ソファを回り込むクー。
 その行動の真意を理解して、夏海を引き寄せながらクーが座っていた場所に滑り込む。
夏海「え、何? 二人して何してるの?」
 クーは夏海の座っていた席に腰かけ、ミカンを剥きだす。俺も落花生の殻を剥く。
空  「夏海、美味しいミカンです。味わって食べて下さい」
公人「落花生も美味しいな。楽しんで食べてくれ」
 左右を伺いながら軽く青ざめる夏海。
公人「まだ始まってもいない。存分に味わってくれ」

夏海「ごめん、もう無理……」
空  「もうこのくらいで充分でしょう。夏海も反省しています」
 夏海は口を押さえながら涙目で訴えかけ、こくこくと頷く。
 クーは立ち上がり、先程とは逆回りにソファを回り込むと、なぜか俺の膝上に座る。
空  「公人さん、お役に立てたご褒美はないのですか?」
 そう言って首に腕を廻してくるクーに言い知れない恐怖を感じた……



20-04

夏海「私にここまでの事をしておいて、自分だけ美味しい目をみようなんていい度胸じゃない」
 夏海はクーの足を引っ張り、膝上から引きずり下ろす。
空  「今の状況を見て、私に構っている余裕なんてあるのですか?」
公人「分かってるなら腕を離せーーー」
 首に廻されたクーの腕によって、俺までが半分倒れたような状態になっていた。
 しかも首を放してくれないため、クーの胸に軽く顔を埋めるような感じでだ。

 深夜の街に、梵鐘の音が荘厳な余韻を残しながら響き渡る。
夏海「……クー。全面的に許すわ」
公人「許すなーーーっ。ほら、除夜の鐘! 今年一年の罪を懺悔して煩悩を──」
空  「私の煩悩は全て浄化されました。今、私は清浄なる心で公人さんを求めています」
夏海「除夜の鐘ごときで私の煩悩を取り除こうなんて甘いわね」
 そう言うと夏海は、俺の脇の下に腕を差し入れて引き寄せる。
 前門のクー。後門の夏海。このままではホンキで襲われかねない……

公人「いや、俺の煩悩は除夜の鐘で払えるし、煩悩に飲まれる気もないからっ」
空  「公人さんの煩悩は私が全て引き受け、私の中で昇華させますので安心して下さい」
夏海「私は公人となら欲望の深淵に堕ちても後悔しないわよ~。というか、堕ちなさい」
 滅茶苦茶な言い分で詰め寄る二人。こうなると手が付けられない。
公人「ほら、こういう事は恋人同士で行うべきで──」
空  「公人さんは私の事が好きで、抱きたいと言いました。私にも同じ欲求があります」
夏海「未だに私かクーか選べないって事は~、私の事も好きで抱きたいって事よね~~。責任取れなんて言わないから安心しなさい。責任取るのは公人を虜にする私だし」
 やばい。二人とも欲望全開モードに入ってる…… 俺の貞操の大ピンチ。

公人「二人に──」
夏海「そろそろ年も明けるのね。『一年の計は元旦にあり』と言うし、少しくらい強引に関係を進めてしまうのもいいかもね~」
空  「その提案、受けて立ちましょう」
 二人とも俺の意見なんて聞く気がないし……



20-05

 効果があるか分からないが、最悪の事態だけは避けなければ。
公人「クー。俺のことは好きか?」
空  「当然です。公人さん以外に興味はありませんし、公人さんだけを愛しています。望まれれば何でもして差し上げる覚悟はできています。何なりと言いつけて下さい」
夏海「クー、騙され──」
公人「俺のことを一番に考えてくれるクーは大好きだよ。しかし、キス以上の事は俺自身の気持ちが固まってからにしたいんだ。分かってくれ」
空  「はい。公人さんがそう言うのであれば仕方がありません。今年はキスで我慢します」
 そう言って柔らかく唇を重ねてくる。軽く髪を撫でながらそれに応える事にした。

夏海「クー。そんな甘言に騙されてどうするのっ。公人は一時凌ぎに言ってるだけよ!」
公人「騙してなんかいないぞ。俺は二人以外に好きな女いないし、その気持ちがはっきりするまで待って欲しいと言ってるだけだ」
 夏海の腕の中から引き寄せると、クーは俺を胸に抱き入れる。
空  「公人さんの言葉を信じられないのであれば、勝負は決まったようなものですね。相思相愛なのは私です。今後、夏海より優先的に扱って頂きます」
夏海「そんな事させると思ってるの! クーと私、どちらが公人に相応しいかはっきりさせる必要があるようね」

 火花を散らし、今にも争い出しそうな二人をなだめる。
公人「クーと同じくらいに夏海のことも好きなんだから、争う必要ないだろ」
夏海「じゃぁ、私の事も大好きなの!?」
 射すくめるような眼差しで睨みつけてくる夏海。アナコンダに睨まれたカエル状態。
公人「……大好きです」
夏海「仕方ないわね。優しくキスしてくれるなら今年は許してあげるわ」
 クーから奪い取るように引き寄せられ、ゆっくりと、だが激しく唇を貪られる。
 テレビから新年を迎えるカウントダウンが始まり、年が明けた。
空  「明けましておめでとうございます。昨年はキスで我慢しましたが、今年はキス以上の行為を期待します」
 にこやかに微笑むクー、そして夏海は悪魔の微笑みを浮かべていた。



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