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無知無垢妹系ボクール

2006/01/07 21:57 [Sat]
 折角の土曜日なのに、ただ一人暇を持て余した俺はぶらぶらと街を歩く。
 しかし独り者の居られる場所と言うのは意外に少ない。
 新年からブルーな感情で落ち込みたくはないので、仕方なく大型書店へ向かう。
 何か好みの本でも発売されているといいなぁと思いつつ。

 本棚に敷き詰められた遅山SF文庫。悪友どもに言わせると読みづらいとか、高いとか
 酷評ばかりだが、海外の一流作品ばかりなので面白いと思う。訳者次第なんだけどね。
 一冊ずつ手に取り内容を確認する。これも買っていこうかなぁ──
 突然うしろから抱き締められる感覚。
A子「ん~~、男お兄ちゃんだ~~~~」
 ギギギという擬音を発しながら首を後に向けると、近所に住む後輩のA子が周囲の目も
 気にせず頬ずりしていた。
男 「お、お前何してるんだ……」
A子「頬ずり~~」
 A子腕を掴み引き剥がす。それでも周囲の視線がかなり痛い。
 その中に見覚えのある二人組の女の子がいた。A子の友達のB香とC子だ。
 二人は、いたずらのバレた子供のような苦笑いを浮かべ、じりじりと後退を続けている。
B香「男先輩、後は頼みま~す」
C子「別に悪いこと教えてないですよ。何があってもそれは私たちのせいじゃ──」
B香「いらんこと言うな、バカ」
 C子の脇腹を肘で小突くB香。あからさまに不自然な態度を取る二人。
男 「え~と、A子に何か悪いこと教え込ん──」
A子「ねぇ、ふぇらって何? 気持ちいいの?」
 本当に知らないのか、静かに無垢な瞳を向けていた。

 静まり返る店内。その場に居合わせた全ての人が動きを止める。
A子「ボクがお兄ちゃんにしてあげれば絶対振り向い──」
 手にしていた文庫本を投げ入れるように本棚に戻し、A子の口をてのひらで塞ぐ。
 二人は既に逃亡した後だった。

男 「俺が本屋から出るまで一切口を開くな。わかったな」
 この場にA子ひとりで置き去りにできるほど悪人にはなれないので、A子の腕を掴み
 出口へと急ぐ。
A子「ふぇらしてあげたらボクにも──」
 俺はA子を小脇に抱え、空いた片手で口を塞ぐと、猛ダッシュで大型書店をあとにした。

 大通りから裏路地に走りこみ、人通りが少ないのを確認するとA子を降ろす。
 火事場の馬鹿力とはよく言ったモノだ。普段だったらA子を片手で持ち上げる事なんて
 できないだろう。
 当のA子はなぜ俺が慌てていたのかさっぱり分からないといった表情で息を整える俺の
 顔を覗き込んでいる。
A子「ねぇ、男お兄ちゃん──」
男 「待て。 ……今度こそ、俺がいいと……言うまで。口を開くな」
 A子はこくこくと頷くと、犬のような瞳をこちらに向けながら小さな両手で口を塞ぐ。

 落ち着きを取り戻したところで、A子の耳元に小声で話しかける。
男 「……さて、説明してもらう事にするが、間違ってもフェラとか言うな。分かったな」
 あまり理解したようには思えないが、真面目な顔でこくこくと頷く。
男 「口を開いてよし」
A子「あのね。男お兄ちゃんがボクの事を子供扱いするのをやめさせるにはどうしたら
   いいかなぁって二人に相談したら、ふぇ──」
 A子をギロリと睨みつける。身を縮めて口を両手で塞ぐA子。
A子「えっと…… してあげれば、一気に恋人同士になれるよ~って。言ってる意味が
   分からないって言ったら、男お兄ちゃんに聞け~って」

 A子はお行儀のいい仔犬のような女の子だ。言われた事はきちんと守るし、むやみに
 騒いだりする事もない。
 ただ問題があるとすれば、致命的な世間知らず。はっきり言って知恵が足らない。
 口さえ開かなければ冷静で落ち着きのある子として見られるのだが、一言話し出すと
 幼稚さが見え隠れする言葉が飛び出てくる。
 幼馴染みとして色々世話を焼いてきたおかげで、A子からはお兄ちゃんと呼ばれ、
 A子の両親からは『いつ嫁に貰ってくれるのか』と再三問いただされる始末。

A子「ね~。ボクは教えて欲しいんだけど、男お兄ちゃんも知らないの?」
男 「……知らない」
 ここはシラを切り通すのが得策に思える。
A子「う~~ん、お兄ちゃんが知らないんじゃ、お母さんに聞いてみようかな……」
男 「ま、待て。思い出した! 今サクっと抜け落ちてた記憶が元に戻った!」
 慌てて前言を撤回する。そんな事されたら非常にヤバイ。
A子「じゃぁ教えて。ボクは男お兄ちゃんが喜ぶ事をしてあげたい」
男 「あまり大きな声でそういう事を言うな。教えるから少し黙ってろ」
 こくこくと頷くとA子は両手で口を押さえる。
 昔からの癖なんだが、そういう仕草が子供っぽいと言われるんだ。

 しかしA子のよく通る声だと、誰もいない場所にでも行かないと大変な事になる。
 かといって俺の家は母親がいる時間帯だし、危なくてA子を呼べもしない。
男 「他に人がいる所だと誰に話を聞かれるか分からないし、どうしようかなぁ」
A子「今、ボクの家には誰もいないよ。男お兄ちゃん、そこでいい?」
 まぁ危ない雰囲気にならなければいいんだし、それがベストの選択だと思う。
男 「んじゃ、そうするか」
A子「うん、きてきて~」

 A子に促されてA子宅の玄関を抜ける。
A母「あ、男君、いらっしゃ~い。今日はデートだったの? いいわね~」
男 「あれ?」
A子「あのね、今日は男お兄ちゃんにふぇら教えて貰う──」
男 「言うなーーーーーっ!」
A母「あらあら、今日はお祝いね~。男君、学生の間は避妊だけはしっかりね」
A子「あ、あれ? ボク、何か間違えたような気がする……」
 その日から両家公認の恋人同士にされてしまった男。彼の受難は始まったばかりだ。
無知無垢妹系ボクール


 折角の土曜日なのに、ただ一人暇を持て余した俺はぶらぶらと街を歩く。
 しかし独り者の居られる場所と言うのは意外に少ない。
 新年からブルーな感情で落ち込みたくはないので、仕方なく大型書店へ向かう。
 何か好みの本でも発売されているといいなぁと思いつつ。

 本棚に敷き詰められた遅山SF文庫。悪友どもに言わせると読みづらいとか、高いとか
 酷評ばかりだが、海外の一流作品ばかりなので面白いと思う。訳者次第なんだけどね。
 一冊ずつ手に取り内容を確認する。これも買っていこうかなぁ──
 突然うしろから抱き締められる感覚。
A子「ん~~、男お兄ちゃんだ~~~~」
 ギギギという擬音を発しながら首を後に向けると、近所に住む後輩のA子が周囲の目も
 気にせず頬ずりしていた。

男 「お、お前何してるんだ……」
A子「頬ずり~~」
 A子腕を掴み引き剥がす。それでも周囲の視線がかなり痛い。
 その中に見覚えのある二人組の女の子がいた。A子の友達のB香とC子だ。
 二人は、いたずらのバレた子供のような苦笑いを浮かべ、じりじりと後退を続けている。
B香「男先輩、後は頼みま~す」
C子「別に悪いこと教えてないですよ。何があってもそれは私たちのせいじゃ──」
B香「いらんこと言うな、バカ」
 C子の脇腹を肘で小突くB香。あからさまに不自然な態度を取る二人。
男 「え~と、A子に何か悪いこと教え込ん──」
A子「ねぇ、ふぇらって何? 気持ちいいの?」
 本当に知らないのか、静かに無垢な瞳を向けていた。

 静まり返る店内。その場に居合わせた全ての人が動きを止める。
A子「ボクがお兄ちゃんにしてあげれば絶対振り向い──」
 手にしていた文庫本を投げ入れるように本棚に戻し、A子の口をてのひらで塞ぐ。
 二人は既に逃亡した後だった。

男 「俺が本屋から出るまで一切口を開くな。わかったな」
 この場にA子ひとりで置き去りにできるほど悪人にはなれないので、A子の腕を掴み
 出口へと急ぐ。
A子「ふぇらしてあげたらボクにも──」
 俺はA子を小脇に抱え、空いた片手で口を塞ぐと、猛ダッシュで大型書店をあとにした。

 大通りから裏路地に走りこみ、人通りが少ないのを確認するとA子を降ろす。
 火事場の馬鹿力とはよく言ったモノだ。普段だったらA子を片手で持ち上げる事なんて
 できないだろう。
 当のA子はなぜ俺が慌てていたのかさっぱり分からないといった表情で息を整える俺の
 顔を覗き込んでいる。
A子「ねぇ、男お兄ちゃん──」
男 「待て。 ……今度こそ、俺がいいと……言うまで。口を開くな」
 A子はこくこくと頷くと、犬のような瞳をこちらに向けながら小さな両手で口を塞ぐ。

 落ち着きを取り戻したところで、A子の耳元に小声で話しかける。
男 「……さて、説明してもらう事にするが、間違ってもフェラとか言うな。分かったな」
 あまり理解したようには思えないが、真面目な顔でこくこくと頷く。
男 「口を開いてよし」
A子「あのね。男お兄ちゃんがボクの事を子供扱いするのをやめさせるにはどうしたら
   いいかなぁって二人に相談したら、ふぇ──」
 A子をギロリと睨みつける。身を縮めて口を両手で塞ぐA子。
A子「えっと…… してあげれば、一気に恋人同士になれるよ~って。言ってる意味が
   分からないって言ったら、男お兄ちゃんに聞け~って」

 A子はお行儀のいい仔犬のような女の子だ。言われた事はきちんと守るし、むやみに
 騒いだりする事もない。
 ただ問題があるとすれば、致命的な世間知らず。はっきり言って知恵が足らない。
 口さえ開かなければ冷静で落ち着きのある子として見られるのだが、一言話し出すと
 幼稚さが見え隠れする言葉が飛び出てくる。
 幼馴染みとして色々世話を焼いてきたおかげで、A子からはお兄ちゃんと呼ばれ、
 A子の両親からは『いつ嫁に貰ってくれるのか』と再三問いただされる始末。

A子「ね~。ボクは教えて欲しいんだけど、男お兄ちゃんも知らないの?」
男 「……知らない」
 ここはシラを切り通すのが得策に思える。
A子「う~~ん、お兄ちゃんが知らないんじゃ、お母さんに聞いてみようかな……」
男 「ま、待て。思い出した! 今サクっと抜け落ちてた記憶が元に戻った!」
 慌てて前言を撤回する。そんな事されたら非常にヤバイ。
A子「じゃぁ教えて。ボクは男お兄ちゃんが喜ぶ事をしてあげたい」
男 「あまり大きな声でそういう事を言うな。教えるから少し黙ってろ」
 こくこくと頷くとA子は両手で口を押さえる。
 昔からの癖なんだが、そういう仕草が子供っぽいと言われるんだ。

 しかしA子のよく通る声だと、誰もいない場所にでも行かないと大変な事になる。
 かといって俺の家は母親がいる時間帯だし、危なくてA子を呼べもしない。
男 「他に人がいる所だと誰に話を聞かれるか分からないし、どうしようかなぁ」
A子「今、ボクの家には誰もいないよ。男お兄ちゃん、そこでいい?」
 まぁ危ない雰囲気にならなければいいんだし、それがベストの選択だと思う。
男 「んじゃ、そうするか」
A子「うん、きてきて~」

 A子に促されてA子宅の玄関を抜ける。
A母「あ、男君、いらっしゃ~い。今日はデートだったの? いいわね~」
男 「あれ?」
A子「あのね、今日は男お兄ちゃんにふぇら教えて貰う──」
男 「言うなーーーーーっ!」
A母「あらあら、今日はお祝いね~。男君、学生の間は避妊だけはしっかりね」
A子「あ、あれ? ボク、何か間違えたような気がする……」
 その日から両家公認の恋人同士にされてしまった男。彼の受難は始まったばかりだ。


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