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真なるクー 第九話 ~幸せを運ぶもの~

2006/12/26 23:41 [Tue]
 リビングでソファに身をゆだねながら、テレビという文明の恩恵を受けていた。
 存在がホラーというインスマスたちも更に増えてきて、それに比例して様々な知識を持った者が集まってきたのだ。
 そのおかげで、今まで諦めていたテレビという文明を取り戻すことができた。

「ちちよ。 なぜあの木に物をぶらしゃげておるにょだ?」
「あれはクリスマスツリーといって…… 祭りのための装飾だな」
「しょうか、あの場所で祭りをしておるにょだにゃ」
 俺の膝の上に乗ったリトゥは、軽く頷きながら深々と座りなおす。
 テレビというものに初めてふれたのか、暇さえあれば電源を入れて何かしら見ている。
 そして疑問が湧くと、その都度 誰か捕まえて質問をぶつけていた。
 今日は その魔の手に俺が捕まったというわけだ。

 リトゥとテレビを見て過ごしていたその場に、大きな白い袋と、大きなクリスマスツリーを手にしたクーが入ってきた。



「子守りは退屈ではないか? 主よ」
 どうやって抱えているのか謎だったりするツリーを床に降ろすと、手にした袋をしげしげと見つめる。
「それはクリスマスツリーではにゃいか」
「そうか。 それで、この木は何に使うのか知っておるのか?」
「祭りのかじゃり付けを施した木だという」
「そうか。 それで、何の祭りなのだ?」
 リトゥはその質問に沈黙で答えると、困ったような表情を浮かべ こちらを仰ぎ見る。
「キリストという救世主の生まれた祭り?」
 そういった質問をされても特に宗教に詳しくない俺には答えようがなかったりする。
 クーはその答えが不服だったのか不満に眉をゆがめ、ツリーを抱えようとしゃがみこむ。
「そんな名も知らぬ輩の生誕祭なぞ 我には興味が無い」
「おいおい、持ってきたのに またどこか持って行くのか」
「華やかなので盛ってきたが興味が失せた。 捨ててくる」
「いやいや、ちょっと待て。 本来の祭りのことは知らないけどな、日本では家族や恋人、果ては友達同士などで集まって楽しく過ごすという──」
「そういうことは早く言うがよい。 それならば我も異教の祭りとやらに参加するのも やぶさかではない」


「ところで、それは一体どうしたんだ?」
「これはだな、モク…… 名前は忘れたがインスマスの一人が持ってきたのだ。 主と楽しむがよいとな」
 名前を言われても、外見的特長の似通った者たちを判別できるほどじゃないし……
「ははよ、しょの袋には何が入っているのだ?」
「我も渡されただけで中までは確認していない」
 そう言うと、袋の口から中を覗き込みながら赤い布の塊を取り出してきた。
「どうやら服のようだ」
 クーから手渡された服を広げてみると、どうやらサンタクロースの衣装らしい。
 しかし、どう見ても女物にしか見えない。

「女物みたいだし着てみたら? いつまでもスク水じゃ寒いだろ」
「我は暑さ寒さなど関係ないのだが、主がそう言うのであれば着てみるのも一興かもしれぬ」
 クーは衣装を受け取ると無造作に旧スク水を脱ぎだし、慣れない手つきでサンタの衣装を身にまとおうとする。
「な、なんでいちいちスク水脱いでるんだよ! その上から着ればいいだろっ」
 なぜ怒鳴られているのかわからないといった表情でこちらを見つめるクー。
「着替えるのだから服を脱ぐのは当たり前であろう」
「いや、スク水なら その上からサンタ服が着られるだろ?」
「これは我が正装であってスク水という名称ではない。 そして、我が正装はそれ単体で一個の衣装として成り立っている。 その上から別の衣装を着る道理はないであろう」
 言ってる事は正しいような気がしないでもないが、全裸でスク水を目の前に掲げながら言う台詞ではない。
「わかった。 俺が悪かったから早く服を着てくれ……」





「さて、着てはみたが。 どうであろうか?」
 普段スク水 ではなく、スク水に限りなく酷似した正装を身にまとっているクーの初めての衣装換えがコスというのはどうなんだろう……
 存在自体がレアだからそれはそれでいいのか?
「うん、なんか新鮮でいいかも」
「愚かにゃ。 われがわれである所以たる藍の衣。 それをにゅぎ去って何が真にゃるクーか」
「……よもや貴様に諭されるとは思わなんだぞ。 リトゥ」
「われ以外に誰がしょれを言えるものか。 退くがよい、今よりわれが真にゃるクーぞ」
「よくぞ言い切った。 我に盾突いた愚かさを、その身で充分に味わうがよい」
 サンタの衣装を盛大に撒き散らしてリトゥと対峙する全裸のクー。
 二人の いさかいを止めるべく俺は駆け寄った。
「だから何ですぐ脱ぐんだよっ!」


 目の前には頭を抱える二人。 俺の手には最強の武具に格上げされた破邪のスリッパ。
 久々に使ったが、こんなモノを使わずに済む生活が待ち遠しい。
「すぐにポンポン脱ぎやがって、羞恥心というものはないのか?」
 その言葉に非難じみた色を漂わせていたが、何か思いついたのか、普段どおりの表情でクーが擦り寄ってくる。 全裸で。
「そうか、我のこの身体を己だけのモノとしたいのであったか。 ならば杞憂であるぞ、我は既に主ただ一人のものであるからな」
「なぜ都合のいい解釈に持っていく!? いいから服を着ろ!」
「ふふ、照れなくともよい。 我は、主が独占欲が強くとも一向に構わぬ」
「いや、だから別に独占欲が強いとか、そういう問題じゃなくてだな。 だれかれ構わず魅せるものでもないだろ と言って──」
「見られて減るものでもあるまい。 しかし、主が己のみで楽しみたいという感情も今では理解できる。 さぁ、好きなだけ堪能するがいい」
「いいから服を着てくれ~~っ!」


 苦労の末 スク水を着せる事に成功したが、さっき俺が言った事をどこまで理解しているのか甚だ疑問だ。
「あ~ぁ、折角のサンタ服 こんなにしちゃって……」
「む? それほどまでに我に似合っていたか?」
「似合っていたというか、新鮮な感じでよかったと言うか」
「ならば似せる事くらいはできる」
 そう言うやいなや、クーの着ている旧スク水が生物のように脈動し、徐々に形を変えてゆく。
 そして、脈動が止まるとそこには紺色のサンタ服を身にまとうクーがいた。





「いくら不条理のかたまりって言っても、服まで変化するか普通……」
「何を呟いておる。 これが好みなのか?」
「好みというか何というか」
「ふむ。 やはりこのようなデザインでは艶がない。 主の反応もいまひとつだ」
 言い終らないうちに服は蠢動し、形を変えていく。
 野暮ったいぶかぶかのズボンがジャケットと融合してコートのような形状に変化する。





「このようなのは好みか? 先ほどのデザインを考慮してみたが」
 妖艶な笑みを浮かべゆっくりと距離を狭めてくる。
 って、下着見えてる!
 パンツ、ランジェリー。 呼び方なんてどうでもいい。

 問題は、さっきの俺の言葉を一切理解していないコイツだ。

 俺の視線に気付いたのか、クーは首を傾げながらコートの重ねを両手で開いて下を確認する。
「自分で開くな──っ!」
 渾身のスリッパブーメランをその顔面で受け止めたクーが、痛みを堪えながら仰け反った体勢を徐々に正していく。
 てのひらで顔を覆い、うつむき加減で非難する。
「くっ…… この距離で投げ付けるのは卑怯であろう……」
「自分から下着を見せるとか、そういうのはやめろと言ってるんだ」
「下着という概念は理解している。 だが、これは下着ではない。 我の正装は本来一体型。 それが分割しただけのことであろう」
 う、そう言われれば確かにそうだ。

だがそれでは俺の魂が納得しない。

「だからといってだな。 少しは恥ずかしいとか、そういう事も考えてだなー」
「ならば問おう。 主は無害な虫がいたからといって恥ずかしいと思うのか? 我にとって、深きものやインスマスなど取るに足らぬ存在。 恥ずかしがる道理はなかろう」
 確かに桁違いの存在であるクーならそうなんだろう。
 しかし、正論だろうと どうしても納得がいかない。
「だが安心するがいい。 我にとって主はあらゆる存在の中でも別格。 我が仕えし存在に恥ずかしがっても詮無きこと。 つまり我に羞恥心など不要」
 一点の曇りもない笑みを浮かべ言い切る。
 あぁ。 多分ホンキでそう思ってるに違いない……


「ところで主よ。 どのような事をするかは知らぬが、祭りとやらを催すのではないのか?」
「あぁ、そうだった。あまりにも予想外の方向に展開するモンだから忘れてた」
「それで、何をするのだ?」
「取り敢えず、コートみたいなのはやめろ」
 クーはあごに手を当てて考え込む。
「家族、恋人、友達などで楽しむ異教の祭り……」
「いや、何か変な格好しそうだから言っておくけど、飲んで食べて騒ぐようなパーティだから。 変なもの召喚したり妖しげな儀式とか関係ないから」
「何か勘違いしているようだが、我は主とともに過ごせればそれで構わぬのだ」

 確かにクーは含むところもなく、思ったことをそのまま言葉や態度に乗せてくる。
 モラルや一般常識がない点を除けば至って素直で正直な性格といえる。
 まぁ、規範にうるさい邪神なんていてもギャグにしかならないから、ある意味正統派な邪神には違いないのかもしれない。
「さて。 パーティというのであれば、このようなドレスは如何かな?」





 その姿はイブニングドレス風だが、ミニスカートなのかロングスカートなのか曖昧な感じだが、ドレスっていえば確かにドレスだと言えるスタイルになっていた。
 サンタのイメージを引きずっている辺りが、クーのそこはかとなく可愛らしい性格を現している気がする。
「どうやら悪くはない感じではあるかな」
「クーらしさが出ていていいかも」
「主に褒められて我は気分がいい」
 その端正な造形を持つ顔に薄い笑みを浮かべると、軽く首に手を回してくる。
「それで、あとは何を用意したらいいのだ? 食事と飲み物はわかるのだが、『 騒ぐ 』というのが何を表しているのか、我にはわからぬ」

 普段と趣きの異なる衣装に身を包み、迫ってくるというわけでもなく腕を絡ませてくる仕草に、このまま抱き寄せてしまいたくなる衝動に襲われる。
「どうしたのだ、主よ。 この姿に欲情したのか?」
 クーはそんな俺の感情の変化を敏感に察知する。 しかし読み取り方が違う!
 トキメキとか、そういった感情の変化も邪神であるクーには理解できないのか、すべて性欲として知覚してしまう。
 ダメだ、このままでは聖夜じゃなく性夜になってしまう。

「ふむ、この姿では少し動作に難がある」
 そういってロングスカート部分を取り払ってしまう。

25-06.jpg




「これでいいだろう。 『 騒ぐ 』というパーティを始めようではないか」
「ちょっと待て! リトゥもいるだろ、何押し倒そうとしているんだ!?」
「リトゥも我と同等の知識を持っていると言っておろう。 気にする必要はない」
「それ違う、何か間違ってる! そういえばリトゥはどこいった!?」
 クーを何とか押しとどめつつ周囲を見回すと、トナカイの着ぐるみを着て妙な行動を取っているリトゥが目に入る。
 両腕を振り上げ、威嚇するような格好で妄想の世界に入っていたリトゥと目が合った。
「がぉー……」
「…………え~と、何?」
 威嚇の姿勢で固まるリトゥと、それを見つめる二人。
 沈黙が部屋を覆い尽くす。

 リトゥは一つ咳払いをすると、振り上げた腕を下ろし腰に手を当てる。
「んむ。 その、にゃんだ。 よこーれんしゅー」
「トナカイは人を襲わない。 多分。 いや、きっと!」
「ツノがある」
「攻撃できるような形じゃない」
「ツメがある」
「それは蹄だ」
「キバがある」
「トナカイにはキバなんて…… あれ?」
 その着ぐるみには確かにキバが生えていた。 草食動物だと思うんだけどなぁ……
 それ以前にトナカイだよな?

「まぁよい。 細かい事は我の興味を引かぬ。 それよりもインスマスに言って料理と飲み物を用意させよ。 飲んで食べて騒ぐのだ」
 それに異存はないといった風情でリトゥは頷くと、ドアを開けて。 もとい、着ぐるみのためにドアが開けられないのでクーに開けてもらい部屋を出て行った。
「さて、計らずも──」
「いや、絶対謀ってる! パーティをダシにリトゥを追い出したろ!」
「ふむ。 そういえば、自分でドアを開けないのか。 困ったものだ」
 そう言って不敵な笑みを浮かべるとゆっくりとした足取りでこちらに歩み寄ってくる。
 そのままソファに押し倒され、襲われそうになったところで勢いよくドアが開かれる。

「あれほど言ったのに、その衣装で欲望に走ってしまいましたねぇ~?」
 見ると、スーツ姿に帽子を被り、ステッキを持ったインスマスらしき男が満面の笑みを浮かべ部屋に入ってくる。
「子供たちに夢を与えるサンタクロースが劣情に負けては~…… おや?」
 その男はクーの衣装に目を走らせると、満面の笑みを浮かべたまま冷汗を流し始めた。
「私とした事がどうやら間違えてしまったようですねぇ~。 ホーッホッホッホッ」

 クーは立ち上がると無言のまま男を吊るし上げると窓へ向かう。
 男は襟を掴まれたままクーの背中にぶら下げられ、口を開く。
「いいえ、出演料は一銭も頂きません。 お客様が満足されたらそれが何よりの報酬でございます。さて、そろそろ時間も押し迫ってきたようで──」
 クーは窓を大きく開いて大きく振りかぶると、男を勢いよく放り投げる。
「 Daaaaaaaaaaaaaaaaawwwn !! 」
 そして男は投げ飛ばされる寸前に『 夜明け 』と英語で叫ぶと、木々の間に消えていった。

「あれは何だったんだろう……」
「ふむ、あれが最後のモクだとは思えぬ。 第ニ第三のモクがいつ現れるともわからぬ……」
 二人で窓の外。 謎の男が消えた森を見つめ続けた。


「食事の用意をするように言ってきた」
 軽やかな足取りで部屋に舞い戻ってきたリトゥは、不思議そうな表情を浮かべてこちらに目を向ける。
「よし! パーティの用意をするぞ。 リトゥもたくさん食べろよ」
「んむ、たくさん食べてせーちょーせねば世界を取り戻しゅことができにゅ。
ちちよ、待っておるがよい」
 クールになりきれず、少し興奮気味のリトゥと準備を進める。
 口元に笑みを浮かべたクーに見守られながら。


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